「従業員エンゲージメントって、結局何なの?」
「離職率が高くて困っている…」
「エンゲージメント向上施策を試したけど、効果が出ない…」
人事担当者なら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。
2025年のエンゲージメント市場は大きく変化しています。Gallupの調査によると、世界の従業員エンゲージメント率は21%に低下し、パンデミック以降で最低水準。日本はさらに深刻で、エンゲージメント率はわずか7〜10%と世界最低レベルです。
しかし、エンゲージメントが高い企業は離職率が43%低く、生産性が17%高く、収益性が21%高いというデータがあります。つまり、エンゲージメント向上は、業績に直結する重要な経営指標なんです。
この記事では、最新データを基に、従業員エンゲージメントで失敗しないための実践的な方法をお伝えします。データの羅列ではなく、明日から使えるエンゲージメント向上施策として読んでいただければと思います。

エンゲージメントって、そんなに重要なんですね!

そうなんだにゃ!やり方を知れば、離職率も業績も改善できるにゃ!
従業員エンゲージメントとは?意味と満足度との違い
まず、「従業員エンゲージメントって何?」という基本から整理しましょう。この理解がないと、施策そのものが間違った方向に進んでしまうからです。
エンゲージメントの定義(ロイヤリティ・コミットメント)

従業員エンゲージメントとは、従業員が自社や組織に対して抱く「愛着心」や「思い入れ」「信頼度」を指し、企業のビジョンや経営方針への共感を基に、自発的に企業の業績向上や組織への貢献を目指す意欲のことです。
これは単なる仕事満足度や忠誠心とは異なり、より深い感情的なつながりであり、会社と従業員の間の信頼関係や組織全体への帰属意識、自ら行動する意欲といった3つの要素で構成されます。
- 理解度:会社のビジョンや目標を理解している
- 帰属意識:会社の一員として誇りを持っている
- 行動意欲:自発的に会社の目標達成に貢献しようとする
エンゲージメントが高い従業員は、仕事に積極的に関わり高いパフォーマンスを発揮し、企業の目標達成に貢献します。
従業員満足度(ES)との違い

「従業員エンゲージメント」と「従業員満足度(ES)」は、よく混同されますが、全く違う概念です。
| 項目 | 従業員満足度(ES) | 従業員エンゲージメント |
|---|---|---|
| 定義 | 会社や仕事に「満足しているか」 | 会社や仕事に「貢献したいか」 |
| 方向性 | 受け身(会社から与えられるもの) | 能動的(自発的に貢献する) |
| 施策例 | 給与UP、福利厚生充実 | キャリア開発、1on1、評価制度改善 |
| 業績への影響 | 満足度が高くても業績向上とは限らない | エンゲージメントが高いと業績向上に直結 |
例えば、「給与が高くて福利厚生が充実している会社」でも、従業員が「この会社のために頑張ろう」と思わなければ、業績は向上しません。一方、エンゲージメントが高ければ、従業員は自発的に業績向上に貢献するんです。
エンゲージメントが業績に与える影響(生産性・離職率)

Gallup、Aon、PwCが共通して示すエンゲージメントが業績に与える定量的インパクトは以下の通りです。
- 生産性が+17%
- 収益性が+21%
- 顧客満足度が+10%
- 離職率が−43%
つまり、エンゲージメント向上は、単なる「雰囲気づくり」ではなく、業績に直結する重要な経営指標なんです。

満足度とエンゲージメントって、全然違うのね!

その通りにゃ!満足度を上げても業績は上がらないけど、エンゲージメントを上げれば業績も上がるにゃ!
2024〜2025年のエンゲージメント最新データ
ここでは、2024〜2025年のエンゲージメント最新データを見ていきましょう。日本の現状を知ることが、改善の第一歩です。
日本のエンゲージメントスコア(世界最低レベル)

Gallupの2025年「State of the Global Workplace」報告によると、衝撃的なデータが明らかになりました。
| 地域 | エンゲージメント率 |
|---|---|
| 日本 | 7〜10%(世界最低) |
| 世界平均 | 21% |
| 北米 | 31% |
| 東アジア | 18% |
| ヨーロッパ | 13% |
日本のエンゲージメント率はわずか7〜10%で、世界最低レベル。つまり、100人中90人以上が「会社のために自発的に貢献しよう」と思っていないということです。
さらに、eNPS(従業員ネットプロモータースコア)の日本企業平均は−30〜−20と、世界平均の+10〜+20と比べて50ポイント以上も低い状況です。
業種別のエンゲージメント傾向

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、業種別の離職率にも大きな差があります。
| 業種 | 離職率 | 定着率 |
|---|---|---|
| 生活関連サービス・娯楽業 | 20%以上 | 80%未満 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 約15% | 約85% |
| 医療・福祉業 | 約13.3% | 約86.7% |
| 製造業 | 約5.3% | 約94.7% |
| 金融業・保険業 | 低め | 高め |
サービス業や飲食業は離職率が高く、製造業や金融業は低い傾向があります。これは、エンゲージメント向上施策の導入率や働き方改革の進捗度と相関しているんです。
離職率への影響(エンゲ高→離職率43%改善データ)
Gallupのデータによると、エンゲージメントが高い企業は離職率が43%低いという結果が出ています。
具体例として、ある日本のIT企業では1on1強化でエンゲージメントを向上させ、離職率を45%→12%へ改善しました。また、小売企業では心理的安全性施策で生産性が20%向上した事例もあります。
つまり、エンゲージメント向上は離職率改善の最重要施策なんです。

日本、世界最低レベルなんだ…ショック!

だからこそ、改善の余地が大きいにゃ!次は低い企業の特徴を見ていくにゃ!
エンゲージメントが低い企業の特徴
エンゲージメントが低い企業には、3つの共通点があります。これを知ることで、改善のヒントが見えてきます。
心理的安全性が低い(会議で発言できない)

Googleの「re:Work」プロジェクトによると、心理的安全性がチーム成果に最も寄与することが分かっています。
心理的安全性とは、「自分の意見や失敗を恐れずに話せる環境」のこと。心理的安全性が高いチームは
- 離職率が低い
- メンバー間の信頼関係が強い
- マネージャーからの「効果的に働く」との評価が約2倍高い
一方、心理的安全性が低い企業では、「会議で発言できない」「失敗を恐れて挑戦しない」という状態になり、エンゲージメントが低下します。
1on1が機能していない(形骸化)

パーソル総合研究所の調査によると、1on1を導入している企業の割合は約7割ですが、約半数が「不満またはどちらともいえない」と回答しています。
1on1が機能していない理由は以下の通りです。
- 面談のやり方を学ぶ仕組みが不足
- 上司の多忙でスケジュール調整が難しい
- 面談の効果が感じられない
逆に、1on1が機能している企業は離職率が半分になるというデータもあり、1on1の質がエンゲージメントを左右します。
評価制度の不透明さ(納得感不足)

Z世代の調査では、企業選びの基準の1位が「成長機会」で、給与より「キャリアの明確さ」を重視しています。評価の透明性が最も重要なんです。
評価制度が不透明な企業では
- 「なぜこの評価なのか分からない」
- 「頑張っても報われない」
- 「キャリアパスが見えない」
という不満が蓄積し、エンゲージメントが低下します。

1on1が形骸化してる企業、多そう…

そうなんだにゃ!次はエンゲージメントを高める施策を見ていくにゃ!
エンゲージメントを高める施策10選
ここからが本命です。実際にエンゲージメントを高めるための10の具体的施策をお伝えします。
①オンボーディング強化

入社後の3ヶ月間のフォローが、エンゲージメントを左右します。オンボーディングプログラム例は以下の通りです。
- 入社初日〜1週間:毎日15分のフィードバック面談
- 2週間目〜1ヶ月:直属上司と週1回の1on1
- 1ヶ月時点:適応状況のヒアリング
- 3ヶ月時点:正式な評価面談
②役割期待の明文化(ジョブディスクリプション)
職務記述書(ジョブディスクリプション)で、職務内容・責任範囲・必要スキルを明文化。これにより、「何を期待されているのか」が明確になり、エンゲージメントが向上します。
③OKR/目標設定の透明性
OKR(Objectives and Key Results)を導入し、組織目標と個人目標を連動。メルカリや丸紅では、目標達成率の向上と組織の一体感醸成に成功しています。
④1on1の改善(型・頻度)
1on1の質を上げるには以下の3つが重要です。
- 頻度:月1回以上(理想は週1回)
- 時間:30分〜1時間
- 型:「困っていることは?」「どうサポートできる?」「キャリアの希望は?」の3つを必ず聞く
⑤キャリア開発支援(リスキリング)
Z世代は「成長機会」を最重視しています。リスキリング制度や資格取得支援を提供し、キャリアパスを可視化することで、エンゲージメントが向上します。
⑥マネジメント層の育成
Gallupの調査では、マネージャーのエンゲージメント低下が顕著。マネージャー向けの研修を実施し、1on1スキルやフィードバックスキルを向上させることが重要です。
⑦ピアボーナス/称賛文化の整備
Uniposのピアボーナスシステムを導入し、従業員同士が相互に認め合い感謝を伝える文化を醸成。これにより称賛量が増加し、エンゲージメントが向上します。
⑧福利厚生より「成長機会」重視の制度
Z世代は給与より「成長機会」を重視。従業員満足度施策(福利厚生)ではなく、エンゲージメント施策(キャリア開発・評価透明化)に投資しましょう。
⑨ハイブリッド勤務の最適化
リモートワークとオフィス勤務のバランスを最適化。柔軟な働き方を提供することで、ワークライフバランスが改善し、エンゲージメントが向上します。
⑩従業員サーベイの定点観測
サイバーエージェントでは、月3問程度の短いアンケートを継続実施。人事が全ての意見に対応することで信頼関係が強まり、離職率の大幅改善を実現しました。

10個も施策があるんだ!どれから始めればいいの?

まずは④1on1と⑩サーベイから始めるのがおすすめにゃ!次は測定方法を見ていくにゃ!
エンゲージメントの測定方法(実務で使われている手法)
エンゲージメントは「測定」しないと改善できません。実務で使われている3つの測定手法をご紹介します。
従業員エンゲージメントサーベイ(eNPS)

eNPS(従業員ネットプロモータースコア)は、最も一般的な測定手法です。
eNPSの質問例・得点の読み方
eNPSの基本質問は1つだけでOKです。
「あなたは、この会社を友人や知人にどの程度勧めたいですか?(0〜10点)」
得点の読み方
- 9〜10点:推奨者(Promoter)
- 7〜8点:中立者(Passive)
- 0〜6点:批判者(Detractor)
eNPS = (推奨者の割合% − 批判者の割合%)
日本企業の平均は−30〜−20なので、0以上なら優秀、+10以上なら世界トップクラスです。
HRTechツールを活用したスコア可視化
日本のHRTech市場は2024年で約1,700億円に達し、ATSやサーベイツールの普及が進んでいます。ATS導入率は約36.6%です。
人気のツール:
- HRBrain:評価業務の効率化とエンゲージメント測定
- カオナビ:タレントマネジメントとサーベイ機能
- SmartHR:人事評価・従業員サーベイの一元管理

eNPS、シンプルで分かりやすい!

そうなんだにゃ!まずはeNPSで測定して、HRTechツールで可視化するのがおすすめにゃ!
まとめ:エンゲージメント向上の3原則
ここまで、従業員エンゲージメントの意味、最新データ、低い企業の特徴、向上施策10選、測定方法をお伝えしてきました。
最後に、エンゲージメント向上の3原則をまとめます。

原則①:データで現状把握
eNPSや従業員サーベイでエンゲージメントを測定。まずは現状を数値で把握することが改善の第一歩です。
原則②:マネジメント強化が最優先
Gallupの調査でも、マネージャーのエンゲージメント低下が最大の課題。1on1スキル向上とフィードバック研修を実施しましょう。
原則③:継続測定で改善サイクルを回す
月次サーベイ+四半期eNPSで継続的に測定。PDCAを回し続けることで、エンゲージメントが着実に向上します。
エンゲージメント向上は、離職率43%減、生産性17%UP、収益性21%UPという業績に直結する重要施策です。まずは1つの施策から始めて、PDCAを回してみてください。

実際にどうすればいいかまで分かって良かった!

その通りにゃ!さっそく明日から取り入れてみるにゃ!
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例えば:
- 業種別のエンゲージメント向上施策ガイド(IT、製造、小売など)
- 離職率改善をテーマにした実務ガイド記事
- eNPS測定・改善ガイド記事
- 人材・HR業界の最新トレンド記事
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【参考文献】
本記事は以下の公的データおよび一次情報を基に作成:
・Gallup「State of the Global Workplace 2025」
・Aon・PwC「エンゲージメント調査2025」
・厚生労働省「令和5年雇用動向調査」
・パーソル総合研究所「1on1ミーティング実態調査」
・Google「re:Work プロジェクト・アリストテレス」
・マイナビ「Z世代の仕事観調査2024」
・HRTech市場調査レポート(2024年)
・サイバーエージェント・Unipos・メルカリ成功事例
・その他人材業界調査レポート
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